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重力が体に与える影響を考える 第3回

重力が体に与える影響を考える 第3回

2021/06/19

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重力が体に与える影響を探る,3回目です。

宇宙飛行士と高齢者に共通する身体の変化

・筋肉が衰える

・骨量が減少する

を見ていきましょう!

 

▼筋肉が衰える

無重力下で,どれくらい筋肉が衰えてしまうのか。
宇宙滞在が6カ月に及んだ宇宙飛行士の筋肉量変化の調査結果は,

『平均で,毎週0.5~1%減少している』というものでした。

6カ月だと26週ありますから,トータルで13~26%減少していたことになります。
これだけ筋肉が衰えれば,地上に戻ってもふらついて立てないはずですね。

 

▼宇宙の1週間は地上の1年?!

私たちは20代で筋肉量のピークを迎え,その後,緩やかな減少をしていきます。
その減少量は1年間で0.5~1%と言われています。
地上だと1年かかることが,宇宙ではたった1週間で起こっています。
この事実は恐ろしいものです。

 

▼筋肉量が減少する理由とは

では,なぜ筋肉量が減少してしまうか,一番気になるのはここです。
答えは,無重力下で,筋肉を作りだす量と,壊す量の代謝のバランスが崩れることにあります。
地上の重力下では,作りだす量と壊す量の均衡が保たれ,概ね一定の状態でいます。
ところが無重力下では,このバランスが崩れ,作り出す量よりも,壊す量がはるかに多くなる。
それで筋肉量が減っていくんですね。

 

▼代謝のバランスが崩れる理由は?

じゃー,バランスが崩れるのはどうしてか?
要因は大きく3つ。

・成長ホルモンの分泌量減少
・タンパクを壊すホルモン「コルチゾール」の増加
・筋肉負荷の減少

です。
成長させるホルモンが減って,壊すホルモンが多くなるんですから,筋肉量が減っていくのは当たり前です。

 

▼成長ホルモンが減少する理由は?

睡眠不足などにあるようです。宇宙飛行士のほとんどは宇宙滞在中,まともな睡眠がとれず睡眠不足を引き起こしているそうです。

睡眠薬を服用して,眠りをコントロールしないといけないほど。
これでは緊急時に対応できないと問題になっています。

成長ホルモンは適切な睡眠をとることで分泌が促されます。
その睡眠が良くないために起こっています。

 

▼壊すホルモンが多くなる理由は2つ。

・ストレス
・筋肉負荷の減少

です。

ストレスが多いとコルチゾールの分泌が増えます。これでタンパク異化が早まる。これが一つ。(異化とは分解のこと。医学用語)

無重力下は筋肉負荷がほぼゼロになりますね。筋肉の代謝が下がり,作り出すエネルギーも減少します。
そのため筋肉がやせ細る委縮が起こる。
これらが重なって著しい筋肉量減少を引き起こされます。

 

▼筋肉量減少には順番がある!

面白いことに,筋肉量減少には順番があります。

下肢→腰→背中→頭部

の順に筋肉量が減少していくんですね。つまりこれは,地球上ではこの順に筋肉負荷が高いということでもあります。

負荷の高い筋肉から減少していく。特に姿勢保持に貢献している筋肉から先に減少するので余計に姿勢が保てなくなります。

 

▼ベッドに長期臥床の高齢者も同じでは?

ここまで読んでどのように感じましたか?ベッドに寝たきりの高齢者と似てますよね。

・適切な睡眠でしょうか?
・日常生活,また臥位姿勢など過度なストレスを感じてないでしょうか?
・離床して筋肉負荷のある生活をしているでしょうか?

長くなりましたので『骨量が減少する』は

またの機会にします(笑)。

 

リハビリテーション課より

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