腓返りについて
2017/12/07
季節は着々と進み最近は朝晩の冷え込みも強まってきましたね.
寒い日は布団から出るのが いつもよりも億劫になる今日この頃です.
皆さんは こんな寒い日の朝や夜などに足が攣ってしまった事はありませんか?
腓(こむら)返りは,『有痛性筋痙攣(ゆうつうせいきんけいしゅく)』とも呼びます
【筋肉が短時間 攣った状態. 水泳中などに肢が攣ったときに生じる.
下腿三頭筋の『腓(こむら)返り』はその代表筋束の伸筋(伸ばす筋肉)・屈筋(曲げる筋肉)が同時に かつ持続的に収縮し筋肉は固くなり,しばしば疼痛を伴う.
原因はさまざまで、寒冷・疲労条件下や中枢神経・骨格筋・末梢神経疾患また正常加齢などに伴い出現する.
骨格筋疾患では血液中の筋由来酵素や乳酸値の異常が参考になる.】
(医学書院医学大辞典第2版) となっています.
少し難しいですが,簡単には【筋肉が縮まったまま戻らなくなってしまった状態】です. 同時に痛みを伴うこともしばしばあります.
腓返りはふくらはぎ(下腿三頭筋)に限らず、首・足の裏・心筋などの(心筋で腓返りが起こった状態が狭心症です)様々な全身の筋肉にも起こります.
原因はさまざまであり,複数の要因が絡むことで一層起こり易くなります.
1,運動不足からの筋力の低下
2,冷えや水分不足などから起こる血流の悪化やミネラルバランスの崩れ
3,激しい運動後の酵素の不足
4,甲状腺 の病気や糖尿病
5,神経系統の病気 等が考えられます.
栄養面から考える必要があるのが,カルシウムやマグネシウムなどミネラルの摂取です.
カルシウムとマグネシウムは拮抗してバランスをとっていますが,そのバランスが崩れてくると筋肉細胞が収縮し易くなったりします.
マグネシウムは,細胞内にカルシウムが余分に入ってこないようにコントロールしています.
血中にカルシウムが多くあると細胞内にあるマグネシウムが追い出されることになり,細胞内にカルシウムが余分に入ってくるようになります.
細胞内でこうした状態が起こってしまうと,神経が興奮状態になり,精神的にイライラを感じることがあります.
筋肉細胞で起こってしまうと筋肉が収縮することとなり,その結果 腓返りなどの症状を起こしやすくなります.
また,急に体に負担のかけるような運動をすると,筋肉細胞は相対的に酵素が足りなくなり,
筋肉に乳酸などの疲労物質が溜まり易くなり,腓返りを起こしやすくなります.
運動の前後はウォーミングアップが大切になります.
ゆっくりと筋肉を伸ばすストレッチや,ラジオ体操の様な軽運動がお勧めです.
こむら返りが頻繁に何日も連続して起こるようであれば,整形外科や内科の先生を受診して,何かの病気が原因で起こっているのかどうかを確認する必要があります.
応急的な対処法として縮まってしまっている筋肉を伸ばすことで,一時的に改善を促すことができます.
脹脛(ふくらはぎ)(下腿三頭筋)に起こってしまった場合には脹脛をゆっくり優しく伸ばすことが効果的です.
一人で伸ばす場合には,つま先を壁などに押し付けて,踵(かかと)を押し付けて脹脛を伸ばし,膝を手または反対の足を使って伸ばします.
しばらくそのまま痛みが取れるまで伸ばし続けます.
こむら返りは筋肉が強く収縮したときに起こりやすくなっています.
普段からの軽い運動を心がけ,筋肉を柔軟にしておきましょう.
リハビリテーション課より
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