こむら返り
2021/11/15
皆さんは 夜などに足が攣ってしまった事はありませんか?
医学辞典で調べてみると,
腓(こむら)返り=『有痛性筋痙攣(ゆうつうせいきんけいしゅく)』といいます.
【筋肉が短時間 攣った状態. 水泳中などで肢が攣ったときに生じる.
下腿三頭筋の『腓(こむら)返り』はその代表筋束の伸筋(伸ばす筋肉)・屈筋(曲げる筋肉)が同時に かつ持続的に収縮し筋肉は固くなり,しばしば疼痛を伴う.
原因はさまざまで、寒冷・疲労条件下や中枢神経・骨格筋・末梢神経疾患また正常加齢などに伴い出現する. 骨格筋疾患では血液中の筋由来酵素や乳酸値の異常が参考になる.】
(医学書院医学大辞典第2版) となっています.
上記を読むと何だか少し難しいですが,
簡単には【筋肉が縮まったまま戻らなくなってしまった状態】です.
同時に痛みを伴うこともしばしばあります.
腓返りはふくらはぎ(下腿三頭筋)に限らず、首・足の裏・心筋などの(心筋で腓返りが起こった状態が狭心症です)全身の筋肉に起こります.
原因はさまざまであり,複数の要因が絡むことで一層起こり易くなります.
1,運動不足からの筋力の低下
2,冷えや水分不足などから起こる血流の悪化や電解質バランスの崩れ
3,激しい運動後の酵素の不足
4,甲状腺 の病気や糖尿病
5,腰部脊柱管狭窄症
6,薬の作用(一部の降圧剤や利尿剤)、等が考えられます
栄養面から考える必要があるのが,カルシウムやマグネシウムなどミネラルの摂取です.カルシウムとマグネシウムは拮抗してバランスをとっていますが,そのバランスが崩れてくると筋肉細胞が収縮し易くなったりします.
マグネシウムは,細胞内にカルシウムが余分に入ってこないようにコントロールしています.
血中にカルシウムが多くあると細胞内にあるマグネシウムが追い出されることになり,細胞内にカルシウムが余分に入ってくるようになります.
細胞内でこうした状態が起こってしまうと,神経が興奮状態になり,精神的にイライラを感じることがあります.
筋肉細胞で起こってしまうと筋肉が収縮することとなり,その結果 腓返りなどの症状を起こすようになります.
また,急に体へ負担のかかるような運動をすると,筋肉細胞は相対的に酵素が足りなくなり,筋肉に疲労物質が溜まり易くなり,腓返りを起こしやすくなります.
運動の前後はウォーミングアップが大切になります.
ゆっくりと筋肉を伸ばすストレッチや,ラジオ体操の様な軽い運動がお勧めです.
腓返りが頻繁に何日も連続して起こるようであれば,整形外科や内科の病院を受診して,何かの病気が原因で起こっているのかどうかを確認する必要があります.
応急的な対処法として患部のストレッチを行い、縮まってしまっている筋肉を伸ばすことで,一時的に改善を促すことができます.
脹脛(ふくらはぎ)(下腿三頭筋)に起こってしまった場合には脹脛をゆっくり優しく伸ばすことが効果的です.
しばらくそのまま痛みが取れるまで伸ばし続けます.
日頃できる対策として!
普段から軽い運動を心がけ,筋肉を柔軟にしておきましょう.
そして,水分を十分に摂り,身体を冷やさない事です!
リハビリテーション課より
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